写らないレンズの写り。

Zoom-NIKKOR 43-86mm F3.5

ジャンクのニッコールレンズは、MF時代のニッコールの象徴ともいえるカニ爪が無いものがたまにあります。趣味的に使う場合やはりカニ爪があってほしいのですが、個人の現実的な対応としては他のレンズからの移植になります。このズームニッコール43-86も、そんな理由でカニ爪の移植用に購入した悲惨な状態のジャンク品でした。


この43-86、レンズ沼の世界では人気がありません。馴染みの薄い焦点距離に加え、古いズーム全般が写りは良くないというのは常識レベルで知られており、それでいてベストセラーで玉数が多くてレアリティも無いと揃っていれば不人気も仕方がないでしょう。


そのため自分も全く期待せずカニ爪を取ったら用無しで転がしていたのですが、ふと目にした評価に興味を持ち、チャチャッと分解&カビ取り清掃して自分で試してみることにしました。この個体は盛大なカビでコーティングも目に見えて劣化しており、本来の性能よりさらに落ちているはずです。


写りが良くないと言われる古いズームニッコールの実力、逆にどんなものか。

ニコン D800に付けて撮ってみると・・・あれ?意外と良くないですか?


色艶も良く、暑い夏の畑の雰囲気が過不足なく写っているように思えます。43-86mmという馴染みのない焦点距離も、写りに満足した後だと古いレンズの個性だなと味わい深く感じてきます。勝手なものです。


レンズの評価はネット上にあふれていて、自分もレンズを買う際には参考にしています。しかし結局、モノの良し悪しは評判だけで判断できず、自分で手にとってこそと実感しますね。

Monochrom Welt

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