3枚玉の楽しみ。

ZeissIkon Ikonta 521/16 

いわゆる写真用レンズとして採用例が多い割に最もシンプルな構成は、3群3枚トリプレット型ではないでしょうか。もちろんガラス1枚で構成されたメニスカスよりは3倍も複雑とはいえ、凸・凹・凸のガラスレンズ3枚を並べただけでちゃんと写真用レンズとして成立するというのは、それだけで一種のロマンです。


そんなシンプルに構成されるトリプレットレンズは、開放F値がせいぜいF3.5とかボケが汚いとかの弱点がありつつも、絞り込んだ時のヌケの良い描写は何ともいえないものがあり、一時期ハマっていました。

この写真を撮ったノヴァー・アナスチグマートもトリプレット型のレンズなのですが、いやいやしみじみ良いなあ・・・と印象に残っています。いくつか試した国産カメラのトリプレット型レンズと比べてもこのノヴァーの写りの良さは別格で、当時のカールツァイスがいかに抜きん出た光学メーカーだったかを実感してしまいます。


もちろん性能でいえば、現代のレンズのほうがすべての面で圧倒的に上だと思います。それでも、こんなシンプルな構成でこんなに良い写りをするんだ!という感動もまた楽しいものです。名玉テッサーや同じカールツァイス3枚玉のトリオターに比べても地味~な存在のノヴァーですが、良いレンズですよ本当に。

Monochrom Welt

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