オールドレンズの個体差ということ。

Leitz Summaron 35mm F3.5L

COVID-19の流行が収まらないおかげで旅行や撮影の機会もすっかり減ってしまい、カメラやレンズへの関心も減衰していく日々の中、近所のキタムラで懐かしいズマロン 35mm F3.5 Lを見かけました。


以前に同じモデルの別個体を持っていたものの、描写の甘さや難有りの外装に物足りなさを感じて手放しています。しかし改めて良品を見てみると、ライツ時代ならではの丁寧な工作がされた小柄で端正な外観や、美しく透き通る光学系に魅了されてしまい、その割にお手頃な値段でもあったので購入。


こんなご時世なので近所を散策しながら、数枚を撮ってみてビックリしました。

開放F3.5、最短1mで撮って露出の調整以外はストレート現像で、この驚くばかりのシャープさと魅力的なコントラストとトーン。以前に持っていた個体や世評での「ズマロン 35mm F3.5は、やや甘くて古い描写」というイメージが見事に崩されてしまいました。


古いレンズなので個体によって状態が違うのは当然といえば当然なのですが、現実的には同じレンズを何個も買って比較する人もそうはいないでしょう。つまりこのズマロンのように古い製品の場合、誰かのレビューを読んでレンズを決めても、自分が手にする個体が同じような特性かはまた別問題ということになってしまいます。本当に面倒くさいですね。


ひとつ言えることは、気に入った描写をしてくれるオールドレンズは、もういらない!とでもならない限りは手放さないほうがいいですね。手放した後に同じモデルの別個体を買っても、元の個体と同じように写るとは限らないのですから。


このズマロンは、久しぶりに宝物になりそうです。

Monochrom Welt

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