絞ってこそ「鷹の目」。
Carl Zeiss Tessar 3,5/40 (Rollei 35)
20世紀初頭に発明された「テッサー」にカールツァイスが与えた二つ名は、そのシャープさを誇示する"Adlerauge"、日本語では「鷹の目」と訳されることが多いようです。
発明当初のテッサーのF値はわずかに6.3、しかも発明したパウル・ルドルフ博士は大口径化に否定的だったそうです。真意は本人にしか分かりませんが、F6.3以上でのシャープさこそテッサーの本領、と博士は考えていたのではないでしょうか。
そんなわけで自分はテッサー及びテッサー型のレンズは、F8以上に絞った時のシャープな描写こそ、「鷹の目」と呼ばれたテッサーの味だよなーと思っています。
そんなテッサーと目測式なローライ35は本当に良いコンビです。開放で使ってこそみたいな大口径レンズを目測式で使うのは居心地が悪いですが、絞ってこそ本領を発揮するテッサーなら目測式でも非常に快適に使えますから。
オールドレンズでは「開放で使ってこそレンズの味が分かる」みたいな話が多いですが、テッサーに限らず昔のレンズにとって開放はむしろ緊急避難的な使い方で、普通は絞って使うことを前提としていたとも聞きます。
無理に開放で使わずとも、当時の設計者の思想どおりに絞って使うのもまた、往年のレンズの楽しみ方、使いこなしではないでしょうかね。
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