デザインという性能。

Rolleiflex 2.8 D (Planar)  

ご多分に漏れず、ローライフレックスかハッセルブラッドかで悩んでいた時期がありました。様々なWeb記事を読み漁り、店頭で実機を触らせてもらっては溜息をつく日々。


結局、選んだのはローライフレックスの2.8D。シャッターの静かさと、何よりこのデザインに惹かれました。

「凄いカメラですね」「古いカメラなんですか?」etc...このカメラを使っていた頃は、とにかく人からよく話しかけられました。古いカメラは世の中たくさんありますが、二眼レフの姿には、カメラに興味が無い人にも伝わる記号性があるのだろうと思います。


レンズを街の人通りに向けていても多くの人が物珍しそうに見つめ、時にニコニコしながら通り過ぎていくのは、ローライフレックスならではの経験でした。人への第一印象が相手の身だしなみや振る舞いに大きく影響されるように、カメラや撮影もまたそのデザインやスタイルに印象が左右されるのだろうと思います。


ハッセルかローライかは今も色んな人の悩みのようですが、標準レンズ1本でゆるく街撮りするなら二眼レフのデザインという性能も考慮に入れて良いのではないでしょうか。


少し前に富士フィルムのPVが問題になりましたが、あの撮影では通行人はカメラの姿自体を認識できていないと思います。もしX100Vの優美な姿が見えるようなスナップだったら、違う反応の人もいたのかもしれません。


デザイナーが心を込めたであろうデザインの性能を活かせていないとしたら、それはそれでもったいないですね。


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